苦境をモチベーションへ

関東は大分落ち着いてきたものの、東北地方は避難区域が広がったり、未だ連絡も取れないほどと聞き、一刻も早い復旧をお祈りしています。 ==================================================================================== 私が最近読んだ本の中で、目標を成し遂げている人達は、自分の病気や家族の病気&死、また心が深々と傷つくような経験などの苦難をバネにしていることが多いということを述べていて、 その中でスターバックスの会長であるハワード・シュルツの話があった。 シュルツ氏はニューヨークのブルックリンの貧困家庭で生まれ、アメリカでは「プロジェクト」と呼ばれる低所得者の集合住宅地域で育った。 そんな環境の中、父が勤務中に怪我をし仕事を失ってしまい、学歴も技術もない父は仕事に復帰することができなかった。 収入が減るだけでなく、アメリカ生活には欠かせない健康保険も失い、両親は毎日怒鳴り合いの喧嘩。 この時から「職員を大切にし、またどんな人材にもチャンスを与える会社を作る」ということを、心に決めたらしい。 フィールドでは貧乏というレッテルが貼られないということから、全てのエネルギーをスポーツへ費やし、奨学金をとって大学へ進学。 ブロンクスのプロジェクトから、大学へ進むのは異例で、また家族の中で初めて、彼が大学まで進んだという。 卒業後にはゼロックス、コーヒーフィルター販売業を経て、スターバックスと出会い、後に買収に成功、そしてカフェ展開を計った。 通常は最低賃金で健康保険もなく雇うポジションにも、保険はもちろん、それ以上の福利厚生を与え、時給も多く払った。 よってスターバックスの従業員は愛社心を強く持つようになり、従業員の動機も高く、入れ替わりも少ないことが会社の成長に大きく繋がったという。 父親の怪我から家族が苦労し、そのストレスをスポーツや起業へのエネルギーへ変え、当時の父親のような状況の人達へ、手を差し伸べる会社を作るという動機を持った。 この話を読んだ時、「なんだ、みんなそうなんだ!」と思った。 私も父が病気になって、子供の頃には理解できないことを経験し、はじめは悲劇のヒロインになって父を責めたり、反抗したりした。 けれど行くところまで行ってみたら、そのエネルギーを何かに費やしたほうがいいのでは?と気付き、 18歳まではまともに鉛筆も持ったことなかったけれど、ひたすら勉強するようになった。 そうしたら物事を学ぶ事が楽しくなり、中学を中退し、高校は大検を取って単位を稼ぎ、なんとか卒業という感じだったけれど、今では海外で大学院に通っている。 父が亡くなった時に始めたサーフィンだって、まともに泳げなかったのが、今ではサンセットやパイプラインでも波に乗れるようになり、 マイナスエネルギーは、プラスに変換すればいいんだ! というシンプルな事実に気付き、苦境が生み出すパワーの凄さを知った。 でも辛いその瞬間は、がんばらなくてもいいと思う。